そんなところに隠し包丁
冬の中央たる一月は去り、わたしは膝のうえにかぬれをのせて、薄茶にひかる短いまつげを見つめてる、ああ、時間の区切りというものは言語の言語によるつごうなのだと、こちら側からみる生も死も、やはり言語によるひとつの解釈なのだと、言葉をもたないかぬれのお腹のあたたかさ、もくろみのなさ、ただそこにいるだけで、そしてそのことをかえりみることもしないさま、これは、なんという感触だろう。わたしは人間の赤ん坊を育てたけれど、犬や猫と風とおなじだった時代は、あっというまにすぎてしまった、赤ん坊だった息子やわたしが失い、今も失いつつあるものだけで存在している犬のかぬれ、眠り食べて見つめて眠る毛のすべて、どれだけ抱っこしてもしたりない。
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